あれはトーマスが何歳の頃だったか
覚えていませんが
自転車に乗れるようになっていたので
小学校の低学年の時だったと思います。
私は、土曜日に仕事へ行き
夫がトーマスを見ていたのですが
まあ、見ていたといっても、
一緒に家にいるというだけなのですが
私が仕事を終え、家に帰ってきたところ
トーマスが行方不明になっていました。
自転車で、どこかへ行ってしまったのです。
夫があちこち探しまわったようですが
見つかりません。
どこへ行ってしまったのか
本当に本当に心配で、
気が狂いそうでした。
どうして、もっとよく見ていなかったのと
夫を責めました。
これはもう警察に連絡した方が
良いのではと思った時
トーマスが、ひょっこり戻ってきました。
「どこへ行ってたの?」
話すことができないトーマスに
返事などできるはずがありません。
「一人で、外へ行ってはだめでしょう?」
そんなことを言ってみたところで、
理解できません。
とりあえず、戻ってきて、
ほっとしたのですが
どこへ行ってきたのかは、
わかりません。
ただ、隣町に、スーパー、靴屋さん、
本屋さんが並んでいる
ショッピングセンターがあるのですが
その名前を、しきりに言っていたので
もしかしたら、
そこに何のお店があるか
確認しに行ったのではと
思いました。
本当にそこへ行ったとしたら
交通量の多い中、
よく事故に合わなかったと
ほっとしたのを覚えています。