自由になりたい!目指すは自閉症の子育て卒業

自閉症の息子の母親となり31年。息子が赤ちゃんの頃からの経験がお役に立てることを願っています。

自閉症の息子 腕を骨折する part2 自然に治癒した腕

左上腕を骨折して、2日間くらい、

おとなしくしていたトーマスでしたが

痛みが和らいでくると、

じっとしていられるわけがなく

左腕を三角巾で吊ったまま、

ゲームをするようになりました。

 

そして、骨折をして1か月後、

レントゲンを撮ると

骨折した部位の周りに、

うっすらと骨ができ始めていました。

 

その写真を実際に見てみないと、

わかりづらいと思いますが

トーマスの左上腕はポキッと折れて、

重なっていました。

 

大人であれば、骨を引っ張って、

折れた部分をまっすぐにして

ボルトか何かでつなぐのだと思います。

(私自身、骨折したことがないので

詳細はわかりません)

 

でも、トーマスは、

まだまだ成長するという理由で

折れて重なった部分は何の処置もせず、

骨折していない場所にギプスをして

その重さで、

なるべく骨を伸ばすという

治療をしました。

 

1か月経っても、

トーマスの左上腕の骨は、

折れて重なっていましたが

その周りを、

あたらしくできた骨が囲んでいました。

 

お医者さんは、写真を差して

 

「この部分に新しい骨ができていますね。

でっぱった部分は、削れていきますから。」

 

びっくりです。

身体の中で骨が削れていくなんて、

聞いたことがありませんでしたから。

 

折れて重なった部分を

取り囲むように新しい骨ができます。

すると、その箇所は

太い骨になりそうな気がしますが

少しずつ削れて、

元の骨と同じ太さになるのだそうです。

 

人間の身体の神秘さ、

すごさを感じました。

 

もちろん、元のようになるには、

そう簡単にはいきません。

骨折したのは、小学校2年の時ですが

最初は1か月おき、

次は半年、その次は、

1年後、そして2年後と

特別支援学校の高等部まで、

トーマスは整形外科へ通い

経過観察をしました。

 

小学校の高学年の時は、

右腕に比べて1cmほど、

腕が短かかったのですが

生活に何の支障もありませんでした。

高等部の時、最後の診察の時には、

腕の長さの差がなくなって

診察が終了となりました。

 

診察の度に、

一番最初に撮ったレントゲン写真を見て

 

「初めは、こんなだったのにね。」

 

とお医者さんに言われました。

それと、もう一つ

 

「どうして骨折したか、

わからないんだよね。」

 

とも言われました。

 

もし、トーマスが話せるようになったら、

どうして骨折したが

理由を聞きたいと思っていました。

でも、その願いは、

いまだに、かなっていません。

 

骨折から1か月後、

ようやくギプスが外れました。

ギプスをはめていたところって、

垢がたまるんですね。

私自身はギプスを

はめたことがなかったので、

その事実を知りませんでした。

 

トーマスの腕は灰色で、

ギプスを外した途端、

すごい勢いで掻きはじめました。

先生が看護師さんに

トーマスの腕を洗うよう

頼んで下さいましたが

洗った後でも、掻いて掻いて、

トーマスの腕は

真っ赤になってしまいました。