歩けるようになったトーマスは
片時もじっとしていなくて
私は、トーマスの手をいつも握っているか
トーマスの動きを、
ずっと目で追っていました。
そうしないと、
すぐにトーマスは行方不明に
なってしまうのです。
小学校へ入学する前に、
特別支援学校にするか、
それとも、通学区の小学校にするか
相談へ行った時に
多動は、いつ収まるか聞いてみました。
その返事は
小学校の4年生くらいまでには
収まるというものでした。
ただ、それは
多動が治るという意味ではなく
車のエンジンが年を経るごとに、
性能が落ちていくのと同じこと
と言われたのを、よく覚えています。
成長していくのと同時に、
動かなくなっていくのかなあと
漠然と考えていたのを思い出します。
確かに、4年生くらいまでには
かなり多動は収まっていました。
ただ、今も、多動の本質的なものは
治っていません。
身体が動かさなくなった代わりに
口が動くようになったのです。
今は、トーマスのおしゃべりに、
とても悩まされています。
