もしも私の息子が障害者でなかったら
きっと家の中が静かで
穏やかに暮らせていたと思います。
自閉症の息子トーマスを
1人にしておけないので
私が外出する時には
夫のお伺いを立てなければなりませんが
トーマスが障害者でなかったら
私はいつでも自由に
外出することができたでしょう。
トーマスが自閉症でなかったら
仕事へ行くのに
送迎をしなくても済むので
私は急いで仕事から帰ってこなくても
済んだことでしょう。
でも・・・・
トーマスが自閉症でなかったら
障害のあるお子さんを持つお母さんたちとの
固い絆が築けなかったでしょう。
障害のある人たちを理解することができず
私はとても冷たい人間に
なっていたかもしれません。
世の中には、
さまざまなタイプの人間がいることを
受け入れられなかったかもしれません。
トーマスは、
自分がお菓子やジュースを買えば
必ず私に分けてくれるのですが、
彼が自閉症でなかったら
私はこのような、優しい息子を
持てなかったかもしれません。
トーマスが自閉症でなかったら
障害のあるお子さんをお持ちの親御さんを
助けたいと思う気持ちを
持てなかったでしょう。
だから、辛いこともたくさんあるけれども
自閉症の息子トーマスが
いない方が良かったと
思うことは決してありません。